妊婦さんへの施術~腰痛・むくみでお悩みの方へ~

妊娠中は内側から輝き「女性らしさ」が高まる

妊娠中の十月十日(とつきとおか)は、女性の身体が最も生命力に溢れる期間。

新しい命を宿した女性の身体は、内臓の働きにパワーがみなぎり、内側から「女性らしさ」を発しながら輝ける期間なんです。

赤ちゃんに日々たっぷりの栄養を送るために、お母さんの体には脂肪が付き、気持ちもゆったりとおおらかになります。
そして、細胞代謝も最大化するので病気やケガなどにも強くなる、という特徴も現われます。
初めての妊娠だって大丈夫。妊婦さんのトラブルと対処法、そして当院での施術をまとめてみました。

妊婦さんの身体の変化を自然のまま受け止め、心と身体を健やかに保てますように。
そして、いま現在、痛みやむくみに悩まされているみなさまが、痛みのスパイラルから抜け出し、お腹の赤ちゃんの成長と幸せな毎日を送られますように。

妊娠すると女性ホルモンの分泌が活発になります!

女性ホルモンと一口に言ってもその数はたくさんありますが、妊娠期間中に働くホルモンの代表的なものを二つ説明します。

女性ホルモン(1)エストロゲン~女性らしい体をつくる~

エストロゲンは、女性特有の月経や妊娠を促進させる役割があります。
肌や髪の毛をツヤツヤに保ったり、乳房にハリを持たせたりするなど、女性らしい身体を作ってくれる働き者。妊娠中は、体の筋肉をゆるめ、お腹の赤ちゃんがすくすく成長できる環境を整えてくれます。

例えば、産婦人科病棟に新生児のお顔を見に行ったときに「赤ちゃんを出産したばかりの女性の肌がツヤツヤしている」と感じたことはありませんか?寝不足にもかかわらず肌が美しいのはエストロゲンが分泌されているからなんですよ。

このエストロゲンは、「卵巣」と「脂肪細胞」から分泌されます。体重を気にする妊婦さんが多くいますが、妊娠中に脂肪がつくのは当然のこと。体重増加は赤ちゃんに栄養を送るためにも、ゆったりとした気持ちで過ごすためにも必要なことなんですよ。

女性ホルモン(2)リラキシン~赤ちゃんを生むための骨盤をつくる~

月経前や妊娠3~4か月のころから産後数日の間だけ分泌される、期間限定型のホルモンです。
リラキシンは、骨盤の関節を作っている結合組織や靭帯をゆるめ、赤ちゃんが骨盤の中を通りやすくなるように働きます。
靭帯が緩むために「腰痛」が引き起こされやすくなると言われていますが、真偽のほどはどうでしょう?あとで詳しく説明しますね。

エストロゲンとリラキシンという二つの女性ホルモンの働きにより、赤ちゃんはゆっくりと成長し、外の世界へ出てくる準備を進めます。

痛みやむくみをまねきやすい身体の使い方とは!?

多くの妊婦さんが腰痛などの痛みやむくみに悩まされるのはなぜでしょう?
一説にはリラキシンによる靭帯の緩みが原因と言われていますが、リラキシンの作用だとすると、妊婦さん全員に痛みが発生するはず....。

出産は極めて自然な行為ですから誰もが痛みに悩まされる状況になってしまうとは、ちょっと考えにくいですよね。痛み・むくみの本当の原因は「骨盤の後傾」と「筋繊維量」にあります。

骨盤の角度を感じてみましょう!

出産の表現で「産み落とす」という言葉があります。
二足歩行の人間の赤ちゃんは重力に従って生まれてくる準備を整え、出産時もまさしく「落ちてくる」状態が母子ともに最も負担がない状態です。
当然、産道は地面に向かって真っすぐに伸びていたほうが安産に。

産道を真っすぐするためには骨盤が前傾している必要があるのですが、ソファの座り過ぎやデスクワーク、ストレスから骨盤を後傾する方が増えています。
骨盤後傾が長く続くと後傾を維持する筋肉ばかりが発達し、逆に出産に必要な部位の筋肉の量が増えないという問題が起こります。

また、後傾は重力に対しアンバランスな状態でもあるため、必要以上に筋肉に力を入れてしまい、痛みの原因になります。力が入り過ぎると尿失禁の原因にもなりますね。

画像の説明

イスに腰掛ける時には、骨盤を後ろに寝かせて座るのではなく、立った時の骨盤の状態のまま座りましょう。

骨盤が前傾し背筋がゆったりと伸びている状態(左)と後傾&猫背の状態(右)。

特に一日中座りっぱなしのデスクワークの方、赤ちゃんを「産み落とす」ために、30分に1度は立ち上がり、骨盤後傾やその周りの筋肉が硬くなるのを予防しましょう!

安産に必要な「筋繊維量」という考え方

出産には大量の筋肉が必要になります。
勘違いされる方も多いのですが、これは「ムキムキの筋肉をつけて力強く使う」という意味ではありません。

一箇所に力を込めなくてもよくなるように「大量の筋肉をつける」という考えです。
筋肉が少ないと筋肉を構成する線維1本1本は力を込めて縮まなければなりませんが、筋肉の量が多ければ1本1本にはそんなに力を入れず、ゆったり無理なく使うことができます。

その一方で、リラキシンの作用で緩んだ骨盤を支える強度も必要となります。この条件をクリアするためには、筋肉の繊維1本1本を鍛えるのではなく、多くの適切な運動と食事によって筋肉を蓄え、数で支える発想に切り替える必要があります。

エストロゲンの作用のひとつ「女性らしい身体をつくる」というのは、柔らかくみずみずしい筋肉をたくさん作るという意味もあり、妊娠期は出産に必要な柔らかい筋肉が発達しやすい状態になっています。

また、少ない筋肉を一生懸命使うと過緊張(いわゆるコリや張り)が生まれます。この過緊張状態が妊娠期における腰痛などの痛みや、高血圧の原因のひとつです。

むくみの原因は?

むくみは、血液やリンパ液、その他の体液の循環が滞ることで起こります。
体液循環を向上させるためには、適度な運動が必要とされています。特にふくらはぎの筋肉(腓腹筋)と横隔膜(肋骨の下あたり)は身体の循環ポンプのような役割を持っていますから、この2ヶ所を上手に使えると体液循環が活発になりむくみの改善に役立ちます。

ふくらはぎも横隔膜も独立して存在するわけではなく、体全体の一部として機能しています。これらを上手に使うためには、同じ姿勢で過ごす時間を減らして、柔らかい筋肉の運動量を増やすことが大切。ここでもやはり、骨盤の角度を前傾させることが重要です。

(まとめ)
痛みやむくみを回避するために、骨盤の角度を前傾させましょう。
 1:同じ姿勢で長時間(30分以上)過ごさないこと。
 2:きちんと食べて量の多い柔らかい筋肉を蓄えること。
 3:のびのび元気に動き回ること。
 (周囲の優しさに甘えない、過保護にされない) 
を心がけましょう!

ホルモンと現実を調和させよう

赤ちゃんを健やかに育むために、体の仕組みはうまく成り立っています。

妊娠中はほのぼの大らかに過ごしましょう!

卵巣と脂肪細胞からエストロゲンが分泌することで、体の筋肉がゆるみ、気持ちがほのぼのと大らかな状態になるのは妊娠中のひとつの特徴です。
お腹の赤ちゃんがすくすく成長できるように、体には脂肪がついて、気持ちにやさしい変化が生まれます。

しかし、仕事や環境がストレスの原因となり、ほのぼのと安らかな気持ちが保てないことがあります。
初めての出産の方は「母親になる」という時期がストレスに感じることもあるでしょう。

エストロゲンからの命令により、本能的にはゆったりとした気持ちを作りたいのに現実はうまくいかないことで、大きな葛藤が生じてしまいます。
感情のコントロールが難しいと感じたり、小さなことにも不安に感じたり、ゆったり過ごしたいのに気持ちはナイーブに.....。

「気持ちが沈んでいる」、「気持ちがささくれ立っている」、「気持ちがそわそわと落ち着かない」。そんな時は、屋外に出て深呼吸し、率先して体を動かしましょう。

いま現在、痛みやむくみで体を動かすのが嫌な方、どうしても気持ちが落ち込み不安を抱えている方へ

一旦、強い痛みやむくみが出て継続している場合、長年の習慣などによって、自分一人では解決できない問題を抱えてしまっている可能性があります。
また、精神面の改善に取り組んでいるのにどうしても感情が落ち着かない場合にも、身体の問題を抱えていることがあります。

「無痛整体院やすらぎ」でおこなっている施術は、そのような痛みやむくみ・不安感に効果があります。

施術においては、筋肉の余計な(異常)緊張を解消し、骨盤の角度を修正し、痛みやむくみを解消します。
あわせて日常生活での身体の使い方の指導も行います。長年の習慣があっても大丈夫。
身体にやさしく働きかけることで、無理のない新しい身体の使い方を身につけることができますから、再発が少ないのも特徴です。

身体の不安がなくなってくるとメンタルにもいい影響があります。身体が元気であれば、余計な落ち込みや不安がなくなる例が多数あります。

みなさまが、女性として美しく輝ける妊娠期間を、より豊に過ごせるよう、サポートできたら幸いです。